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『人生の勝算』前田裕二

2019年。2冊目。

人生の勝算 (NewsPicks Book)

人生の勝算 (NewsPicks Book)

 

 

 NewsPicks から送られてきた前田裕二さんの『メモの魔力』を読んで、この方の他の著作も読んでみたいと思い、購入した本。社会人2年目の今だからこそ、響く言葉がたくさんありました。この本を読んで強く感じたのは、「人生のコンパスを持つことの大切さ」と「圧倒的な努力をする先を見極めること」の2つです。本の中の言葉を引用しながら、この2つについての考えを書いていきたいと思います。

 

 「人生のコンパス」とは「人生の価値観、向かうべきベクトル(o.236)」とエピローグで話されています。自分の目標を達成するためには、努力をしなければいけません。しかし、その目標がなければ、いかに今目の前のことをとにかく頑張ろうと思っても、なかなかモチベーションはあがらないものです。私自身もそういった経験は何度もあります。よく言われることですが、学校にいる間は、定期テストや受験、それ以外にも部活や行事など、最初から目標が与えられているものばかりです。しかし、社会に出た時に、そういった全員に共通の目標は1つもありません。それぞれが見つけていかなくてはならないものです。だからこそ、前田さんの言うように、「人生のコンパス」を持っている人と、持っていない人との間で、大きな差が出てしまいます。私もどちらかというと持っていない側の一人です。例えば、前田さんの兄は以下のような「人生のコンパス」を持っているそうです。

 

僕が彼(兄)のことを尊敬している理由は」、「決めているから」です。他のどんな事柄よりも、家族に時間を使うこと、家族を大事にすることに、「決めている」。(p.154)

 

これは前田さんとお兄さんの生い立ちに強く関係していますが(具体的には本書をお読みください)、こういった「人生のコンパス」を持っている人は案外少ないのではないでしょうか。「人生のコンパス」を持つための具体的な方法は書かれていませんでしたが、自分の内面を深く深く掘り下げることが大事だと書かれていました。新著の『メモの魔力』には、このいわゆる自己分析の大切さがメモの効能とともに書かれていますし、自己分析のための1000問も巻末にあるので、「人生のコンパス」を見つけたい方は必読だと思います。私も最初の100問はやってみるつもりです。この「人生のコンパス」を持つことが、人生の進むべき指針となり、燃料となると強く感じました。そして、その燃料をどういったふうに使うか。それが、「圧倒的な努力をする先を見極めること」ということです。社会人になって私が一番難しいと思っているのは、何に対してどう努力したら良いのかが、よく考えないと分からないことです。定期テスト、受験などといったものに対して、傾向に沿って勉強するしかありません。しかし、例えば営業であれば、ヒアリング能力、プレゼン能力、商品知識、戦略立案などなど、やるべきことが多くあります。その中で何をやれば良いのか、やみくもにやっても有限な時間を無駄遣いしてしまうことになります。自分はここで他者・他社と差別化する、そういったポイントを見つけて、そこに自分の努力を充てる。前田さんは、以下のように言っています。 

 

頑張るという言葉を分解すると、「見極めて、やり切る」ということになります。(p.142)

 

とても分かりやすいです。「やり切る」の前に「見極め」がなければならない。いくつかのエピソードもこの「見極め」に通ずるものがとても多かったように感じました。ただ、その「見極め」たものに加えて、以下のことも大事になってきます。 

 

この当たり前のことを、圧倒的なエネルギーを注いで誰よりもやり切る。それがビジネスで成功するために必要なことだと、宇田川さんの背中から学びました。(p.103)

 

それは、挨拶や時間を守るなどの「当たり前」のこと。これをやり続けるだけでも相当な人間になれるのではないかとも感じました。「当たり前のこと」、そして、「見極めたこと」に努力を注ぐことで、「人生のコンパス」が指す方向に向かえるのです。

 

今年初めの2冊は前田裕二さんの本でした。「人生のコンパス」を見つけ、努力を注ぐ対象を「見極め」、自分の「人生のコンパス」に大きく前進する1年にしたいと思います。