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『「原因」と「結果」の法則』ジェームズ・アレン

2016年。26冊目。

「原因」と「結果」の法則

「原因」と「結果」の法則

 

 

就活のセミナーで社長がおすすめしていた本。文字も大きく100ページにも満たない本ですが、気づきの多い内容でした。作者のジェームズ・アレンは、『道は開ける』『人を動かす』で有名なデール・カーネギーにも大きな影響を与えた方です。

 

印象に残った部分をあげながら、「結果」を出すために大切だと感じたことをまとめていきたいと思います。

 

人々の多くは、環境を改善することには、とても意欲的ですが、自分自身を改善することには、ひどく消極的です。かれらがいつになっても環境を改善できないでいる理由が、ここにあります。(p.28)

 

この本では、自分の思いが結果を生み出す、ということを一貫して主張しています。環境もその結果のうちと考えられています。

 

確かに私も自分の良くない状況を環境のせいにしてしまい、環境さえ変われば自分も変われる、と思ってしまう時があります。もちろん周りに優秀な人がいるのとそうではないのでは、自分の成長は大きく変わってくると思うので、一概に環境を変えることが悪いとは言えません。しかし、自分の状況を良くしたいと思った時に、すぐに環境のせいにしてしまう人は、どのような環境に行ったとしても少し良くない場面に出くわしたら、また環境を変えてしまうのではないでしょうか。そうではなく、まずは自分はどうなのか、と振り返ることから始め、自分の思いや行動を改善していくことが何よりも大切だと感じました。そうすることによって、環境もおのずと変わってくるはずです。

 

大きな目標を発見できないでいる人は、とりあえず、目の前にある自分がやるべきことに、自分の思いを集中して向けるべきです。その作業がいかに小さなものに見えようと、問題ではありません。そうやって、目の前にあるやるべきことを完璧にやり遂げるよう努力することで、集中力と自己コントロール能力は確実に磨き上げられます。

そして、それらの能力が十分に磨き上げられたとき、達成が不可能なものは何ひとつなくなります。間もなく、とても自然に、より大きな目標が見えてくるはずです。(p.55)

 

目標が見えない時は、とりあえず目の前のことをする。このことは誰でも知っていると思います。(できるかどうかは別ですが。)しかし、なぜ目の前のことをやるべきなのでしょうか。それは、「集中力と自己コントロール能力」を磨くためだということを、この本を読んで初めて気づきました。他にも理由はあると思いますが、特に「自己コントロール」はものすごく大切だと思います。どんなことを達成するためにも、地道な努力が必要です。壁にぶち当たった時に、目標を見失わず、今やるべきことをやるためには、自己コントロールがとても大切なのです。ジェームズ・アレンは、自己コントロールについて次のようにも言っています。

 

穏やかな心は、この上なく美しい知恵の宝石です。それは、自己コントロールの長く粘り強い努力の結果です。(p.83)

穏やかな人間は、自分自身を正しくコントロールすることのできる人であり、自分自身を他の人たちに容易に順応させられます。(p.83)

人間は、穏やかになればなるほど、より大きな成功、より大きな影響力、より大きな権威を手にできます。ごく一般の商人でさえ、より確かな自己コントロール能力と穏やかさを身につけることで、より大きな繁栄を果たせるようになります。なぜならば、人々はつねに、冷静で穏やかにふるまう人間との関わりを好むものであるからです。(p.84)

 

「穏やか」というと「落ち着いている」「優しい」ということをイメージしますが、ジェームズ・アレンは、「穏やかな心」を「強い心」だと言っています。自己コントロールによって、欲望を排除し続け、自分のやるべきことを積み重ねることによって得られるのが、「穏やかな心」なのです。ただ、私が「穏やかな心」にまで到達していないので、どのような状態が「穏やかな心」かイメージできないので、「自己コントロール」から始めてみたいと思います。具体的な自己コントロールの対象となるのは、自分の欲望です。

 

もしあなたが自分の心と人生を根気強く観察し、分析したならば、弱さとはそもそも身勝手な欲望から発しているものである、ということにも気づくはずです。(p.64)

人間は、もし成功を目指すならば、自分の欲望の(すべては無理でも)かなりの部分を犠牲にしなくてはならないのです。(p.65)

 

生活をしていると、様々な欲望が湧き起ってきます。「欲望」と仰々しくなくても、「~しなきゃ良かった…」と気づいたら自分に負けてしまう時があるはずです。そんな時に、自己コントロールをして欲望を排除する。これは、意識してみればすぐにできることです。「~したい」と思った時に、一歩立ち止まって「やる必要があるかどうか」を考えて、小さなエネルギーを使えば、自分をコントロールできるはずです。時には自分の欲求に負けても良い時はあると思います。全ての欲望を排除しなければいけない、というわけではありません。ここで大事なのは、欲望の内容ではなく、自己コントロールをできるかできないか、なのでです。

 

自己コントロールを行って、自分の中で良い「原因」を積み重ねることで、「結果」は自ずと出てくるのです。小さな日々の自己コントロールが、「結果」のために大切だと改めて気づかされた1冊でした。